台湾北部で断層調査をしました

台湾北部へ地中レーダを使った断層調査に行ってきました。

台湾北部は1867年基隆津波に見舞われた地域で、多数の活断層が通っています。今回は、それらの断層を調査するため、地中レーダを使って地表直下の地層の状態を調べました。

活断層は山と平野の間を通っています。急峻な山と湿地帯の平野部に挟まれているため、このあたりの古い家屋は山麓の、ちょうど活断層が通っている線上に集まっています。平野部の中にある民家を伺ったところ、元々山麓に住んでいたのが後から平野部に移転したとのことでした。現在は草地や畑になっていますが、この平野には昔、滑走路がありました。

平野部は標高3m以下の湿地帯で、低い所はほぼ標高0mです。1867年基隆津波の津波堆積物も見つかっています。この付近での基隆津波の遡上高は約4mです。

 

海岸はこんな感じです。サーフィンで有名な海岸で、海水浴客も見られます。日中はあまり人がいませんが、夕方になると大勢の海水浴客がやってきます。観測を行っていた時期には台湾で大規模停電が起こっていましたが、調査現場では特に何も無くお店もエアコンを付けて普通に営業していました(大学関係では緊急停電があったようですが)。場所によっては停電で消えた信号機の代わりに警官が交通整理をしているくらいでした。

 

地中レーダの調査風景です。30度を超える炎天下のなか、調査を行いました。測線に沿ってひたすら地中へ電磁波を送受信して計測をおこないます。

 

近くには温泉が多数あり、観光地となっています。基隆地震のとき、この地域一帯はかなり激しい揺れに遭い(震度6程度)、建物も大部分が倒壊しています。基隆地震の時、この付近にある温泉が地震から数日間、異常な噴出をしたという記録が残されています。