与那国島西方沖の地震(2004年12月16日、M5.4)

 2004年12月16日、与那国島近海でM5.4の地震が起こりました(図1)。深さは40km(気象庁)です。USGS(米国地質調査所)による震源決定でも深さは53.1kmとなっており、やや深いところで起こったといえます。ただし台湾中央気象局(CWB)による震源決定では深さ6kmとなっており、震源の深さに食い違いが見られます。

 最大震度2が台湾東部で観測されました(図2)。日本側では与那国島で震度1でした。

 震源がやや深いことから、沈み込むフィリピン海プレートとユーラシアプレートの間で発生したプレート間地震か、沈み込んだフィリピン海プレート内の断層が動いて発生した可能性があります。
 いっぽう、メカニズム解は低角逆断層を示していることから、プレート間地震であると考えられます。この付近では良く見られるタイプの地震です。

 この付近は地震活動が活発で、マグニチュード5以上の地震が頻繁に発生しているところです。この地震の東側では最近、10月15日(M6.6)11月9日(M6.4)11月11日(M5.9)とM5以上の地震が発生しています。




(図1)  震源付近の地震分布。1997年から2004年まで、M3.0以上(気象庁による)。丸印は震源を表す。丸の色は震源の深さを示している。 ☆は本震の震央を示す。等深線は沈み込んだフィリピ海プレートを示している。黄色い線は琉球海溝を示す。



(図2) 震度分布。気象庁と台湾中央気象局のデータを使用。


(図3)地震のメカニズム解、防災科学技術研究所による(2000年以降)。メカニズム解は深さ毎に色分けしている。


[戻る]