与那国島西方沖の地震(2004年11月11日、M5.9)

 2004年11月11日、与那国島近海でM5.9の地震が起こりました(図1)。深さは50km(気象庁)です。ただし、USGS(米国地質調査所)によれば深さは44.8km(CMT解決定時に求めた深さでは34km)となっており、気象庁の決めた震源より少し浅いところで起こった可能性があります。、

 最大震度4が台湾東部で観測されました(図2)。日本側では与那国島で震度2でした。

 圧縮軸が南北方向に近い逆断層型です(図3)、USGSによる浅い震源の方を採用すると、沈み込むフィリピン海プレートとユーラシアプレートの間で発生したプレート間地震の可能性があります。この付近は地震活動が活発で、マグニチュード5以上の地震が頻繁に発生しているところです。

この地震の東側では、10月15日にM6.6の地震が発生しています。これは沈み込んだフィリピン海プレート内の断層が動いて発生したものとみられます。

また、この地震の南東側では、11月9日にM6.4の地震が発生しています。これは沈み込むフィリピン海プレートとユーラシアプレートの間で発生したプレート間地震であるとみられます。




(図1)  震源付近の地震分布。1997年から2004年まで、M3.0以上(気象庁による)。丸印は震源を表す。丸の色は震源の深さを示している。 ☆は本震の震央を示す。等深線は沈み込んだフィリピ海プレートを示している。黄色い線は琉球海溝を示す。



(図2) 震度分布。気象庁と台湾中央気象局のデータを使用。


(図3)地震のメカニズム解。深さ50km以浅の地震(マグニチュード5以上)をプロット。赤いメカニズム解はUSGS(米国地質調査所)のものを使用。黒いメカニズム解は防災科学技術研究所(2000年以降)のものを示す。



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