・南西諸島のプレート配置図と地震活動
南西諸島周辺では琉球海溝をはさんで北西側にユーラシアプレート、南東側に
フィリピン海プレートが位置している (図)。ユーラシアプレートについては、上海付近から九州西側までを結ぶ線に沿って北側をアムールプレート、南側を上海プレートに分割する場合もある。
フィリピン海プレートは ユーラシアプレートの下へ1年あたり6〜8cmの速度で沈み込んでいる。 南西諸島の北西側には沖縄トラフがある。ここは水深1000〜2000mの舟状海盆である。
現在の沖縄トラフの拡張方向と速度は、沖縄トラフ北部から中部では北西−南東方向に1年あたり1-2cm、南部では南北方向に1年あたり3-5cmである。
沖縄県を含む南西諸島の地震活動は、大きく4つに分けられる (図)。
(1)フィリピン海プレート内で発生する浅い地震
-
南北大東島周辺の地震活動がこれに相当する。
地震活動は低い。
過去100年間に起こった最大の地震は、
1998年に石垣島南方沖で発生したM7.6の地震である。
(2)フィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界で発生する地震
- 琉球海溝付近で発生する地震がこれに相当する。 地震活動は高い。 過去100年間で最大の地震は1901年に奄美大島近海で発生したM7.5の地震、または1911年に奄美大島近海で発生したM8.0の地震である(フィリピン海プレート内で発生した、やや深い地震の可能性も指摘されている。)。
琉球海溝の沖縄本島から与那国島にかけての地域では、 100〜200年間隔で繰り返して発生するM8クラスの地震は確認されていない。ただし1771年八重山地震津波がこのプレート境界で発生した巨大地震であった可能性がある。八重山諸島ではおよそ500〜600年の間隔で1771年八重山地震津波クラスの津波が襲ってきた可能性が津波堆積物や津波石の調査から分かってきている。
(3)ユーラシアプレート内で発生する地震
- 南西諸島から沖縄トラフにかけて発生する地震がこれに相当する。 ここで起こる地震の深さは0-30kmである。 南西諸島から沖縄トラフにかけて、地震活動が高い。1938年には宮古島の北の沖合の沖縄トラフでM7.2(気象庁)の地震が発生している。
(4)沈み込んだフィリピン海プレート内で発生する地震
- ここで起こる地震の深さは30-250kmである。 南西諸島から沖縄トラフの直下にかけて、地震活動が高い。 過去100年間で最大の地震は1960年に与那国島北方沖で発生したM7.8
(Mw7.6)の地震である。
(図:南西諸島周辺のプレート)
(図:南西諸島の断面図と地震の分布)
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