石垣島南方沖の地震(2005年3月7日、M4.8)

 2005年3月7日、石垣島南方沖でM4.8の地震が起こりました(図1)。深さは37kmです(表)。

 地震のメカニズム解は垂直または水平な断層が動いたことを示しています。このあたりは南北方向に拡張応力軸が向いているので、沈み込む前のフィリピン海プレート内部で発生した正断層型の地震であると見られます(図3)。

 この付近では地震活動が活発です(図3)。同じフィリピン海プレート内で発生した地震としては、1998年にM7.7の地震(22.2N、125.4E)が発生しています。左横ずれ型の断層運動です(図4)。
 また今回の地震の約50km北では、琉球海溝のところで2001年にM6.2、2002年にM7.0の地震が発生しています(図4)。

この地震の20km北では、1年前にほぼ同じ大きさ(M4.7)の地震が発生しています。メカニズム解も良く似ています。



(図1)  震源付近の地震分布。1997年から2004年まで、M3.0以上(気象庁による)。丸印は震源を表す。丸の色は震源の深さを示している。 ☆は本震の震央を示す。等深線は沈み込んだフィリピ海プレートの深さを示している。黄色い線は琉球海溝を示す。



(図2)地震のメカニズム解、防災科学技術研究所による(2000年以降、M3以上)。本震のメカニズム解はUSGS NEICによるものを使用。メカニズム解は深さ毎に色分けしている。


(図3)震源付近の最近の地震活動。1997年から2003年まで、M3.0以上(気象庁による)。丸印は震源を表す。丸の色は震源の深さを示している。 ☆は本震の震央を示す。点線で囲った領域は1998年M7.7地震の余震域を示している。


(図4)プレート沈み込みと一連の地震活動の模式図。


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