
共通教育の講義「地球の科学」でオーロラの話をしているのですが、実はこれまで実際に見たことはありませんでした。
学生の感想でも、「一度オーロラを見てみたい」というコメントが多くある一方、「親戚がオーロラを見に行ったことがあるが、白い雲のようなものが見えただけだった」というコメントもあり、実際にはどのように見えるのか気になっていました。
そこで今回、休暇を利用してカナダ・イエローナイフを訪れ、オーロラを観察してきました。
滞在中、観察できるのは3夜ありましたが、晴れたのはわずか1夜でした。その唯一晴れた夜に、幸運にもオーロラのブレークアップが起こりました。




それまではゆっくり形を変えながら動いていたオーロラが、ブレークアップが始まると一変しました。光の帯が空を駆け回るように次々と形を変え、どこを見ればよいのか分からないほどで、目の前で何が起こっているのか理解が追いつかない数十分間でした。
初めて目にしたオーロラが、いきなりブレークアップという非常に貴重な体験になりました。
イエローナイフを中心とするノースウエスト準州にはダイヤモンド鉱山があるほか、約40億年前の世界最古級の岩石「アカスタ片麻岩」もあります。アカスタ片麻岩の露頭はイエローナイフから約300 kmも離れており、さすがに現地まで行くことはできませんが。今回の旅行で、来年の「地球の科学」の講義に使えそうな材料もいろいろ仕入れることができました。
また今回の滞在では、オーロラだけでなく、先住民の文化や暮らし、イエローナイフの産業の移り変わりについても、いろいろと学ぶことができました。
私が高校生だったころ、授業で「イエローナイフは金鉱山で有名な街」と習った記憶があります。その後、街を支える鉱業の中心はダイヤモンドへと移りました。しかし、そのダイヤモンド鉱山も現在、大きな転換期を迎えています。
何年か先にもう一度訪れて、今回見た街がどのように変わっているのか、自分の目で見てみたいと思います。
ちなみに、ブレイクアップしていない普通のオーロラは、学生のコメント通り、肉眼では空に薄い煙が漂っているような感じに見えました。また、最近のスマートフォンは暗所撮影の性能が高く、ある程度明るいオーロラであれば、特別な設定をしなくても比較的簡単に撮影できます。