深さは37km(気象庁)です。最大震度は沖縄本島の糸満で5弱でした。
これは横ずれ型の地震でした。Double-Difference法による震源再決定後の余震分布は東北東−西南西方向に長さ約30kmで伸びている事から、東北東−西南西走向の断層が活動したと考えられます(図6)。震源再決定後の結果でもまだ深さの精度が低いですが、沈み込むフィリピン海プレート内で発生した地震の可能性が高いです。
この地震では津波警報が発表されました。知念(南城市)で約10cmの津波が観測されています。
津波の数値計算を行った結果では、沖縄本島東海岸での最大波高は約10cmでした(図4)。またV字型の湾の奥でも波高が高くなっています。断層が横ずれ型であったために断層運動による上下変位が小さかった(約2cm)ことが影響しています。
この地震が同じマグニチュードで逆断層型であった場合を計算すると、沿岸波高は最大で約60cmとなります(図5)。
深さ(km) | マグニチュード | |
---|---|---|
気象庁(速報) | 37 | 7.2 |
USGS | 22 | 7.0 |
防災科学技術研究所 F-net |
5 | 7.0 |
(図1) 震源付近の地震分布。2002年から2009年まで、M3.0以上(気象庁による)。丸印は震源を表す。丸の色は震源の深さを示している。
☆は本震の震央を示す。
(図2)震度分布。
(図3)地震のメカニズム解(NIED:防災科学技術研究所)。下半球投影。メカニズム解は深さ毎に色分けしている。
(図4)津波数値計算による最大波高分布。黒太線は断層を示す。断層深さ10km、走向7°、傾斜90°、長さ幅30km、滑り量80cm(横ずれのみ)
津波シミュレーションアニメ 沖縄本島−大東島(wmvファイル)
シミュレーション映像で赤い領域は海面が高い所、青い領域は低いところです。色の最大スケールは-5(青)〜5cm(赤)です。地震発生から1時間分をアニメにしています。
(図5)津波数値計算による逆断層であった場合の最大波高分布。黒太線は断層を示す。断層深さ10km、走向225°、傾斜45°、長さ幅30km、滑り量80cm
(図6)Double-Difference法による本震と余震の震源再決定結果。M2.8以上。☆は本震の震源を示す。