宮古島北方沖の地震(2007年4月20日、M6.7)

 2007年4月20日、宮古島北方沖でM6.7の地震を最大としてM6以上の地震が3個起こりました()。深さは20〜40km(気象庁)です。

 宮古島で最大震度3が観測されています()。10時45分の地震では、宮古・八重山地方に津波注意報が発表されました。

 沖縄トラフ中軸で発生した正断層型地震です()。ここはトラフの中軸にあたり、東西走向の正断層群が発達しています()。群発地震活動が活発な地域です。余震も断層に沿って東西方向に並んでいます()。

 10時45分に発生した地震では、気象庁マグニチュード(M6.7)とモーメントマグニチュード(M6.1〜6.2)が約0.5異なっています。気象庁マグニチュードをもとに断層パラメータを決めて津波シミュレーションを行った場合、宮古島北部から池間島で最大波高が約40cmになります()。いっぽう、モーメントマグニチュードを元に断層パラメータを決めて津波シミュレーションを行うと、宮古島に到達する津波は10cm以下となります()。津波からみると今回の地震はM6.2に近かった可能性があります。

  9時26分の地震 10時45分の地震 11時23分の地震
深さ(km) マグニチュード 深さ(km) マグニチュード 深さ(km) マグニチュード
気象庁 22 6.3 21 6.7 24 6.1
防災科学技術研究所
CMT解
5 6.1 8 6.1 5 5.9
USGS 10 6.0(Mw) 7 6.2(Mw) 10 5.9(Mb)



(図1)  震源付近の地震分布。2002年から2005年まで、M3.0以上(気象庁による)。丸印は震源を表す。丸の色は震源の深さを示している。 ☆は本震の震央を示す。等深線は沈み込んだフィリピ海プレートの深さを示している。

(図)震度分布。気象庁・地方公共団体のデータを使用。


  9時26分の地震(M6.2)


  10時45分の地震(M6.7)


  11時23分の地震(M6.2)

(図3)地震のメカニズム解、防災科学技術研究所による(2000年以降、M3以上)。下半球投影。メカニズム解は深さ毎に色分けしている。深さ50kmより浅い地震を表示している。


(図4)沖縄トラフ内の活断層と地震分布。


(図5)4月20日に発生した本震および余震分布。M3以上。


(図6−1)M6.7と仮定して断層モデルを作成した場合(走向25km、幅20km、傾斜60度、滑り量57cm)の津波の波高分布。


(図6−2)M6.2として断層モデルを作成した場合(走向20km、幅15km、傾斜60度、滑り量17cm)の津波の波高分布。


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