石垣島南方沖の地震(2004年7月12日、M4.9)
2004年7月12日、石垣島南方沖でM4.9の地震が起こりました(図1)。深さは56km(気象庁による)です。
琉球海溝直下で発生していること、CMT解決定時に最適であった震源の深さが8kmであること、逆断層型のメカニズム解を示すことから、フィリピン海プレート内部で発生した逆断層型の地震であると見られます(図4)。ただし、CMT解の決定精度があまり良くないため、他の可能性(例えば沈み込んだフィリピン海プレート上面で発生したプレート間地震)もありえます。
この付近では地震活動が活発です。同じフィリピン海プレート内で発生した地震としては、1998年にM7.7の地震(22.2N、125.4E)が発生しています。左横ずれ型の断層運動です(図4)。
また今回の地震の約50km東では、琉球海溝のところで2001年にM6.2、2002年にM7.0の地震が発生しています。これらの地震のメカニズム解が低角逆断層型であることから、沈み込んだフィリピン海プレート上面で発生したプレート間地震であると見られます(図4)。
(図1) 震源付近の地震分布。1997年から2003年まで、M3.0以上(気象庁による)。丸印は震源を表す。丸の色は震源の深さを示している。
☆は本震の震央を示す。
(図2) 地震のメカニズム解。メカニズム解は防災科学技術研究所によるCMT解を使用している。メカニズム解は南北圧縮の逆断層型を示す。
(図3) 震源付近の最近の地震活動。1997年から2003年まで、M3.0以上(気象庁による)。丸印は震源を表す。丸の色は震源の深さを示している。
☆は本震の震央を示す。点線で囲った領域は1998年M7.7地震の余震域を示している。
(図4) プレート沈み込みと一連の地震活動の模式図
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