与那国島近海の地震(2004年2月26日、M5.5)

 2004年2月26日(日本時間)、与那国島近海でM5クラスの地震が起こりました(図1)。深さは69kmです。
地震の深さが深いことから、沈み込んだフィリピン海プレート内で発生した地震であると見られます(図2、図3)。この地震では、与那国島、西表島、波照間島で最大震度2が記録されています(図5)。



(図1) 震源付近の地震分布。2002年から2003年まで、M2.0以上(気象庁による)。丸印は震源を表す。丸の色は震源の深さを示している。 ☆は本震の震央を示す。






(図2) 地震のメカニズム解。メカニズム解はUSGS(米国地質調査所)によるCMT解を使用している。震央もHarvard大CMT解による震源を使用している。メカニズム解は南北圧縮の逆断層型を示す。地震の深さが69kmと深いことから、沈み込んだフィリピン海プレート内で発生したと見られる。


(図3) (左)震源を通る南北断面図。震源データは気象庁による。 (右)断面図をとった領域を示している。

 本震は深さ69kmに位置する。深発地震面の深さは約50kmであることから、この地震は深発地震面より約20km深いところで起こったことになる。一方、USGSの震源データでは、この地震の深さならびに深発地震面の深さはそれぞれ58.5kmと約60kmであり、大きな食い違いは見られない。このことから、この震源が深発地震面より若干深いのは震源決定の影響によるものであると考えられる。



(図4)  南西諸島南西部の深発地震面の深さ。震源データはUSGSによる。与那国島付近では60〜70km。




(図5) 震度分布。数字は各地で観測された震度(気象庁による)を示す。




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