沖縄トラフ(与那国海底地溝)の地震(2004年2月15日、最大M5.1)

 2004年2月15日、与那国島北方海域の南部沖縄トラフ(与那国海底地溝)で最大マグニチュード5.1の地震を含む群発地震が起こりました(図1)。群発地震の震源の深さは20〜30kmです。
 震央は沖縄トラフ内の断層沿いに分布しています。

 この群発地震が起こった場所(与那国海底地溝)では沖縄トラフの中でも群発地震活動が相当活発な地域です。陸上観測網から50km以上離れているため大きな地震しか観測できませんが、海底地震計を置いて近場で観測できれば、活発な群発地震活動が捕らえられるものとみられます(1998年11月の海底地震観測の例)。

 この地震では、西表島で最大震度1が記録されています(図3)。



(図1) 震源付近の地震分布。2002年から2003年まで、M2.0以上(気象庁)。丸印は震源を表す。丸の色は震源の深さを示している。 ☆はM5.1の地震の震央を示す。






(図2)赤丸:2004年2月15日〜2月17の3日間に発生した群発地震の震源。白丸:2002年から2004年2月までに発生した深さ35km以浅の地震(M2以上)。気象庁震源データを使用している。黒線は沖縄トラフ内(与那国海底地溝)の断層を示す。

 過去の地震活動は北東方向から南西方向へ帯状に分布している。これらの大部分は群発地震である。123°20'Eを境として、活動は2つの領域に分けられる。123°20'Eより東では地震は与那国海底地溝の断層が集中する部分で発生している。一方、123°20'Eより西では地震は与那国海底地溝より南で発生している。ここでは群発地震活動が活発であるにもかかわらず顕著な断層は見当たらない。

 今回の活動は123°20'E付近に集中している。ここは2つの活動領域の境界である。1998年11月の小さな群発地震活動とほぼ同じ場所(震源決定の誤差を考慮してないので、大まかにであるが)であると見られる。





(図3) 2月15日19時22分の地震(M5.1)の震度分布。




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