久米島西沖の地震(2003年12月24日、最大M5.7)

 2003年12月24日(日本時間)、久米島西沖でM5クラスの地震が連発して起こりました(図1、表)。深さは24〜29kmです。
震央は沖縄トラフ内に位置しています。これらの地震が沖縄トラフ内の断層近傍で起こっており(図2、図3)、かつメカニズム解は横ずれ型の断層運動を示しています。このことから、沖縄トラフ内にある横ずれ型の断層運動で発生した地震であると思われます。 この地震では、久米島で最大震度2が記録されています(図4)。



(図1) 震源付近の地震分布。2002年から2003年まで、M3.0以上。丸印は震源を表す。丸の色は震源の深さを示している。 ☆はHarvard大にてメカニズム解が決められた地震の震央(Harvard CMT解による震源)を示す。






(図2) 12月24日に発生したM5クラスの地震のメカニズム解。周辺の断層を線で示している。メカニズム解はHarvard大CMT解を使用している。震央もHarvard大CMT解による震源を使用している。メカニズム解は横ずれ型を示す。これらの地震は沖縄トラフ内の断層で発生している。 この付近の断層の走向は東北東−西南西方向のものが卓越しており、また、メカニズム解の節面が東西と南北である。このことから付近に多く見られる東北東−西南西走向の横ずれ型断層が左横ずれすべりをしたと考えられる。




(図3)2003年12月24日の一日の間に発生した地震分布。気象庁震源データを使用。Harvard大CMT解による震源とは位置がずれている。これは震源決定法の違い、使用した観測点分布の違いによるものである。震源決定の違いで約20km震央がずれる。よって、今のところどの断層が動いたのか、わからない。




(図4) 12月24日8時15分の地震(Mw5.6)の震度分布。




年月日 時分 緯度 経度 深さ(km) 気象庁マグニチュード 最大震度
2002/12/24 6:54 26.4 125.8 10 4.0 震度1(久米島)
2002/12/24 8:01 26.3 125.9 ごく浅い 5.2(Harvard Mw:5.3) 震度2(久米島)
2002/12/24 8:15 26.5 125.9 ごく浅い 5.7(Harvard Mw:5.6) 震度2(久米島)
2002/12/24 8:54 26.5 125.9 10 5.5(USGS: M4.9) 震度2(久米島)
2002/12/24 18:48 26.5 125.8 10 4.7 震度1(久米島)

(表)有感地震となったイベントの諸要素。




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