○ 八重山地震津波の原因

 地震は石垣島〜南東沖で発生したと考えられています(図1)。しかし、マグニチュード7.4の地震で起こる津波の遡上高は普通10m以下なので、この地震で発生した津波は明らかに異常です。この地域では地震の規模が小さくても大津波が発生するのか、それとも断層運動以外の要因によって大津波が発生したのかを明らかにすることは、八重山諸島の津波防災を考える上で重要です。
 
 これまで津波の原因として下に揚げた3つのモデルが提案されてきました(図2)。
 @巨大地震説・・・マグニチュードが8に近い巨大地震であった(中田・河名、1986)。
 A海底地すべり説・・・断層運動ではなく、海底で地すべりが起こった(日吉・他、1986)。
 B複合原因説・・・巨大地震と海底地すべりが同時に起こった(今村・他、2001)。

 津波の発生源はどの説においても石垣島の南〜南東沖であると考えられています。この中でBの複合原因説が有力であると見られていました。しかし、石垣島南東沖で巨大地震を起こした断層や海底地すべりを起こした地点はまだ特定されていません。



図1 ハッチは過去の研究で推定された津波の波源域(津波の発生域)を示す。×は気象庁による震央を示す。


図2 これまでに出された津波の原因

[戻る]