現在の石垣市街と津波遡上域

 津波当時、海岸線は現在の美崎大通と国道390号線付近を通っていました。図で示した津波の最大遡上地点は、古文書に残された遡上高から推定したものです。石垣市街地での最大遡上地点は、現在の4号線よりやや海側を通っています。ここは段丘の傾斜面にあたり、海岸までの平坦面(標高約4m)より約5m高くなっています。ちなみに、シミュレーションで見た最大遡上地点もこのあたりです。

 集落の大部分は津波の遡上域に入っています。特に、寺や蔵元のような主要な場所は津波の遡上域の中にあります。蔵元と桃林寺は津波によって流された一方で、宮鳥御嶽は津波被害を受けていません。このように、海岸付近に集落が集中していたことが津波被害を大きくしたといえます。

津波の最大遡上地点と当時の集落の位置関係。国土地理院撮影の空中写真(1994年撮影)を使用。


・桃林寺(標高4m)。津波によって流された。


・桃林寺西側の道路。北東方向を見ている。段丘になっており、向こう側が手前より約5m高い。津波はこの段丘の上まで遡上しなかった。



・宮鳥御嶽(標高10m)。津波は到達しなかった。




[戻る]